原状回復費用の負担区分:大家・借主の考え方
国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」では、原状回復の費用負担を「経年劣化・通常損耗」と「故意・過失による損傷」で明確に区分しています。
🏠 貸主(大家)負担
- ・経年劣化による壁紙の変色・色あせ
- ・日焼けによるカーペットの変色
- ・家具の設置による床の凹み(重量物)
- ・台所の油汚れ(通常の使用範囲)
- ・画鋲・ピンの小穴(下地ボードまで達しないもの)
👤 借主負担
- ・タバコのヤニ・臭いによる壁紙の汚損
- ・ペットによる傷・臭い
- ・不注意による水漏れ・カビ(放置によるもの)
- ・引越し作業による傷
- ・画鋲・ピンの穴(下地ボードに達するもの)
- ・冷蔵庫下のサビ(結露を放置)
クロス(壁紙)の耐用年数と負担額の計算方法
借主の過失で壁紙が汚損した場合でも、残存価値で計算します。クロスの耐用年数は6年です。
計算式
借主負担額 = 修繕費用 × (1 - 入居年数 ÷ 6年)| 入居年数 | 借主負担割合 | 例)修繕費10万円の場合 |
|---|---|---|
| 1年 | 約83% | 8.3万円 |
| 2年 | 約67% | 6.7万円 |
| 3年 | 50% | 5.0万円 |
| 4年 | 約33% | 3.3万円 |
| 5年 | 約17% | 1.7万円 |
| 6年以上 | 実質ゼロ(1円) | ほぼ0円 |
退去時に作成すべき書類一覧
① 退去立会チェックシート
退去立会い時に部屋の状態を記録する書類。各部屋・設備の状態を「良」「要補修」でチェックし、借主・貸主双方が署名します。
💡 トラブル防止のため立会い当日に作成し署名をもらうことが重要
② 原状回復費用明細書
損傷箇所ごとの修繕費用と費用負担者(借主/貸主)を明記した書類。国交省ガイドラインに基づく負担区分を明示します。
💡 根拠(ガイドライン準拠)を明示することでトラブルを減らせる
③ 敷金精算書
預かり敷金から借主負担費用を差し引いた返金額(または追加請求額)を算出した書類。振込先も記入してもらいます。
💡 退去後1〜2ヶ月以内に発行するのが一般的
④ 退去確認書(明渡確認書)
鍵の返却と明渡しが完了したことを双方が確認する書類。後のトラブル防止に重要です。
💡 鍵返却と同時に署名してもらうのがベスト